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新しい水素構造を作り出した

宇宙の全質量の70%、全原子の90%以上をしめる水素。物理化学者が今までに見たことのない形の負電荷水素クラスターを作成した。

 

負電荷の水素クラスターを知るために、まずは一般的な水素クラスターを積極的に荷電した、正電荷の水素クラスターの構造説明を。

水素イオンクラスターと言われているが、非常に低温で生成され、100個もの個々の原子を含むことができる。

物理学者によって40年前に水素イオンクラスターに対する陰性のカウンターパートの存在が理論化されたが、作り方は分からないままだった。

 

これにオーストラリアのチームが挑戦した。

まず、低温液化ヘリウムに水素分子H2を添加すると、混合物が中性電荷クラスターを形成した。

次にこれを電子ビームに爆し、水素分子の一部をイオン化し、負に帯電した水素イオンを真空中に放出した。

すると、まもなく近くにある水素分子が負のイオンに集まってきて、これらのグループが数個、または多くの分子をそれぞれが得ることを発見した。

多くの場合、それぞれの分子は数マイクロ秒しか存在することができなかったが、研究者にとって幾何学的構造を決定するに十分だった。

 

マイケル・シベルバーがアメリカ物理学会に報告したように、クラスターはn=5〜129 までの奇数の原子番号のみであることを発見した。

最も安定したクラスターは、コアに負電荷のH-イオンをもち、これは水素分子で満たされたシェルによって放射されている。

「この不思議な値は、クラスターが、双極子引力によって一緒に保持されたいくつかのH2分子と単一のH-イオンの組み合わせであることを意味する。」とシベルバー氏は言う。

最も多く観察されたのはn=25.65.89であった。

これらのマジックナンバーは、20面体などの、対称なH2分子のほとんどの個体の配置に対応している。

数年前から、研究者はこれらのクラスターがガス惑星の待機中や低たい雲の中のいずれかで、宇宙空間に自然に形成されると推測しています。

 

 

感想

最も小さい元素の異なる構造が、研究室ではなくて、宇宙という大きな空間で日常的に作り出されているというのはなんだか不思議で面白い。

小さい元素のことを知るためには大きい宇宙のことも知らないといけないんだなぁ。