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カナダ 炭素税導入を決定

要約

カナダTrudeau大統領は2018年までに1トンごとに10カナダ$の税を課すことを最終決定した。気候変動と戦うという強い新しい国家ポリシーを公約とした。税金は10$/トンから始まり、毎年増え、2022年に50$/トンとなる。(10カナダ$=約7,6US$)

2005年〜2030年の温室効果ガスの排出30%減の目標を達成できるかもしれない。

大統領は以下のように述べている「過去10年間の行いは取り消すことはできないが、今日、明日、真の誠実な努力をする事ができる。地球と地球とともにあるものの健康を守る。過去の産業世界の中で最も弱い目標に固執していては、カナダは温暖化1.5℃以内に抑えることができない。これはセオリーではない、単なる算数だ。」

反対意見も多数出ているが、「反対しても意味はない」と導入に対して強い気持ちでいる。

www.latimes.com

 

 

感想

 

政策での環境対策はヨーロッパが進んでいると思ってたが、カナダも具体的な対策をうってきた。去年開催したパリの気候変動枠組条約から各国の動きは加速している。それに対して日本といったら石炭発電を国内外に推進して世界から批判モード。高速道路の料金引き下げ。明らかに逆行してて失笑レベル。

古い価値観に囚われて成長成長言ってないで現実に則した持続可能な政治をしてほしい。クリーンエネルギーの拡大も経済対策としていいように感じるんだけど。効率化したとはいえなぜ石炭?

京大生の地熱発電システムとかどんどん採用されるようになってるといいな。そういった環境政策が研究開発のモチベーションをより高めると思う。

 

それにしてもジャスティン・トルドーかっこいい。こんなイケメン大統領が存在していいの?ってレベル笑

完全なバイオマスプラスチックの合成

要約

ヨーロッパの研究チームが、完全な再生可能プラスチックの合成を明らかにした。

プラスチックの需要は、2050年までに4倍の10億トンになると見込まれており明らかな環境負荷になっている。

イタリアのトリエステ大学Lucia Gardossi氏率いるチームは、酵素触媒重合による再生可能ポリエステルの合成を製造した。特に、合成のすべての過程で持続可能であることを意識している。

原料は砂糖の微生物発酵物、触媒に酵素と生分解タンパク質、最後に米殻(廃棄物)を使用する。再生可能な素材と触媒に加えて、合成過程も低エネルギー。通常の金属触媒の場合、溶媒を150℃に加熱する必要があるが、酵素触媒を使って50℃で合成することができ、その差は明らか。

1,4-butanediolをポリエステルに重合し、その過程で、ノーベル生物情報賞の方法を以て酵素を選択し、様々な統計から酵素合成過程を最適化したという。

イギリスヨーク大学の環境化学専門家Thomas Farmer氏によると、通常の研究は一部の視点にアプローチしていくが、トータルアプローチに驚愕した。この研究結果は全て環境化学に応用できる、と再生可能プラスチックの将来に期待を示した。

 

www.chemistryworld.com

 

感想

材料は、砂糖・タンパク質・酵素・米殻。となんとシンプル。製造過程はイメージだとパン作り?全然わかってない笑。が、米殻を使うというのが日本としてとても経済的で良い。

現在使われている主なバイオマスプラスチックはトウモロコシとサトウキビからできるポリ乳酸(PLA)。ゴミ袋・農業用資材・ケータイやPCの包装など、生分解性も耐久性も兼ね備えている。これを超えられるのか?

それはともあれ、フランスでは法律で今年7月にプラスチックゴミ袋が禁止されて、2020年には使い捨てプラスチック食器・容器を禁止する。

そのためにバイオマスプラスチックの開発は待ったなし。量産化が楽しみ。

 

フランス都市部にエコカー以外入れない法律もできて、ドイツはとにかくエコ大好き国だし、ヨーロッパは意識が高くていいね!とりあえず法律作ってそれに技術や運用を追いつかせるスタイルが潔くて好き。

 

 

 

 

2016年ノーベル化学賞

要約

2016年ノーベル化学賞に、分子でできた世界最小の機械の合成が選ばれた。金属と電気ではなく分子で作られた機械だ。賞はフランス、アメリカ、オランダの研究者3人に送られた。

その分子はエネルギーを与えると動き、コントロールすることもできる分子モーターである。この技術で新しい素材、センサー、エネルギー保存システムの発展が考えられている。

テクノロジーを小型化する方法をコンピュータ処理できる発展は革命に繋がるだろう。今回の賞によって、化学分野は新たな局面に差し掛かったといえる。

 

https://www.sciencedaily.com/releases/2016/10/161005071227.htm

 

感想

センサー、エネルギーストレージの小型軽量化ができればIOT( internet of things)やウェアラブルのバッテリー問題が解決できるのかな。グーグル・グラスも現実化するか?

アイアンマンの世界に近づいた感じでワクワクする!

子育て世代としては、自動追跡してくれるベビーカーがあったらめっちゃ欲しいな。押さなくていいやつ。